手を携えアジアのより素晴らしい未来を共につくる

2019-06-03 08:57:10

陳徳銘・元中国商務部部長

2019531日 東京・第25回国際交流会議「アジアの未来」

(写真撮影:于文)

ご在席の皆さま

 皆さまと東京で集まり、アジアの未来を共に考えられることを大変うれしく思います。今回のフォーラムのテーマは「新たな秩序の模索――混沌を越えて」であり、現在の世界の経済情勢とアジアの発展の現状に非常に合致しています。これは一方では、われわれがまもなく訪れる経済危機に共に直面しており、現在すでに「山雨欲来風満楼(山雨来たらんと欲して風楼に満つ、変事が起きる前には形勢が穏やかでなくなる)」という状況にあることを説明しています。また一方では、アジアの各国が公正かつ透明な国際経済秩序を打ち立てるために団結し、ピンチをチャンスに変えなくてはならないことを表しています。このテーマを巡って、私は三つの面から自分の考えを述べ、皆さんと交流・検討をしたいと思っています。一つ目は、グローバル化した経済とアジアの発展、二つ目は、中国の改革開放と「一帯一路」イニシアチブ、三つ目は、中日が手を携えて協力しアジアの繁栄を共に推進することについてです。

一、グローバル化した経済とアジアの発展

 アジアの発展は世界の大勢から離れられず、また世界の大勢に大きな影響を与えています。経済のグローバル化はまさに現在の世界の大勢です。経済のグローバル化は曲折を経ながらも進展しました。冷戦終結後に大きく進展し、2008年の金融危機で一旦減速し、さらに今日では保護主義という課題にぶつかっていますが、経済のグローバル化は一貫して推進され続け、逆行できないものになっています。2018年、世界の国内総生産(GDP)における国際貿易の比率はすでに第2次世界大戦終結時の5%から約30%まで上がり、7割以上の国際貿易が多国籍企業内部の中間財貿易でした。これは、経済のグローバル化がグローバル化した経済の段階にまで発展し、グローバルバリューチェーン(GVC)がすでに現実になっていることを表しています。われわれのいるアジアは世界において面積が最大、人口が最多の地域であり、すでに最も活力のあるグローバルバリューチェーンのブロックになっています。

 (1)アジア各国はバリューチェーンの深化に参与し、推進しました。第2次世界大戦終結以降、アジアの国々は国際分業体制に次々と入りました。日本の「雁行モデル」は成熟した産業を海外へ段階的に移転させ、アジアの「四小龍」などは「輸出志向」モデルで急速に台頭し、日本・韓国などは投資や産業移転により中国に生産・加工拠点をつくり、さらに中国から欧米への輸出を行い、「三角貿易」モデルを形成し、インドや東南アジア諸国連合(ASEAN)各国は資金や技術を導入して加工・相手先ブランド製造(OEM)を発展させ、経済が成長を続けました。目下、アジアの域内貿易の比率は57.3%に達し、域内の外国直接投資は55%に達し、貿易と投資の融合が世界の注目を集めています。

 (2)アジア各国は地域経済統合を絶え間なく推進しています。アジアの国々は積極的に各種の協力プラットフォームを築き、自由貿易区をつくり、地域・小地域の協力を深めました。ASEANと中日韓(103)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の話し合いの積極的な進展、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)の正式な発効、各方面によるアジア太平洋自由貿易区建設の力強い推進、中国による「一帯一路」共同構築のイニシアチブの提起がアジア各国の経済融合を促進しました。自由貿易協定の数が世界で最も多いのはアジアです。アジア開発銀行の統計によると、20192月時点で、アジアの自由貿易協定の総数は253に達し、そのうちすでに締結・発効しているものは158あります。201718年、アジアでは17の新たな自由貿易協定が締結されました。目下、アジアの一体化を示す指数は0.45に達しており、欧州連合(EU)0.62との差は小さくなっています。

 (3)アジアは日に日に最も成長の潜在力を持つ地域になっています。アジアはグローバル化した経済に関わる中で「アジアの奇跡」を起こしました。国際通貨基金(IMF)のデータによると、過去20年間においてアジアの進歩は最も大きく、経済が年平均6.8%成長しました。これは世界の経済成長を3ポイント上回っています。世界に占める比率は20%から37%まで上昇し、比率が最も大きい地域になりました。近年、アジアの貿易成長は引き続き世界より速く、世界の対外直接投資における割合はすでに36%前後まで上がり、世界の経済成長に対する寄与率は60%を超えています。各国は国内市場を育てることをより重視し、効果的なニーズが日に日に増加し、中間層が拡大し続けています。マッキンゼー・アンド・カンパニーは、今後10年間、世界の中産階級の増加の85%はアジアからになると予測しています。

 (4)アジアはグローバル経済ガバナンスに参与する重要で建設的な力です。アジアは土地が広く物産が豊富で、47の国、1000以上の民族が分布しており、悠久の歴史の中で多様かつ寛容な輝かしい文明をつくり上げました。アジアは人類文明の重要な発祥地です。ここでは世界の三大宗教、古代の三大文明が生まれました。近代以降、「欧州中心主義」の大勢の下、アジア各国は平等、包容、互恵を追求し、「平和五原則」などの共同で守る理念を提起しました。現在、グローバル経済ガバナンス体系が大きく変化し、アジア各国は小異を残して大同を求め、開放・ウインウインを推進し、積極的に主要20カ国・地域(G20)首脳会議、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、新興5カ国(BRICS)首脳会議などのメカニズムに参与し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、上海協力機構(SCO)などを創設し発展させ、国際経済秩序の包容の特徴と発展の機能を高めようと努力しています。先日開かれたアジア文明対話大会は、世界に向けて、アジア運命共同体および人類運命共同体の共同構築を呼び掛けました。

 (5)アジアの経済発展にはアンバランスが存在しています。アジア各国は発展の中で、バランスの取れた発展と国内の貧富の差の縮小を重視してきました。例えば、日本や韓国のジニ係数は0.3前後です。しかし同時に、経済のグローバル化は、国によって異なる発展、産業の成長などのアンバランスをもたらしました。一部の国と地域は、チャンスをつかんで急速な発展を実現しましたが、他の中小国家はさまざまな原因によってグローバル化に乗り遅れてしまいました。2018年、日本とシンガポールの一人当たりGDPはそれぞれ4万ドルと58000ドルでした。しかし一部の国の一人当たりGDPはまだ1000ドルにも達していません。同時に、新技術革命による発展が進むにつれて、従来産業が衰え、従業員の収入が相対的に減少するという状況もアジアの一部の地域では起こっています。グローバル化した経済の下でのアジアの発展をどのようによりバランスよく、より恩恵が行き渡るように促進するか、それがわれわれの共同の任務だといえるでしょう。

 

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