手を携えアジアのより素晴らしい未来を共につくる

2019-06-03 08:57:10

 

三 中日は手を取り合って協力してアジアの繁栄を共に推し進める

中国と日本はアジアの経済大国であるのみならず、GDPが世界第2位と第3位の世界的な経済大国でもあり、アジアの未来の発展と繁栄を共同で推し進める上で当然負うべき歴史的責任があります。中日両国は一衣帯水の隣国で、古くから交流を続けています。2000年以上の歴史の中、平和・友好と共同発展は両国関係の主旋律であり続けています。両国の経済構造は相互補完性が強く、手を取り合って協力し、長所をもって互いに補い合えば、それぞれの発展を促せるだけではなく、アジアの安定と繁栄のためにも重要な役割を果たすことができます。日本はハイエンド製造、人工知能、水素燃料電池、精密管理、生態環境への取り組みなどの分野で世界をリードするレベルにあり、中国が学び、参考とすべきところがたくさんあります。この機会をお借りして、私は皆さんに現在の中日関係でいくつか実感したことを共有しようと思います。

一つ目は、中日関係が正常な軌道に戻り、政治、経済、文化交流が全面的に安定して発展しているということです。昨年、李克強総理は安倍首相と8年ぶりの中日首脳間の相互訪問を実現し、中日ハイレベル経済対話が再開されました。今年、習近平国家主席はG20大阪サミットに出席するとともに日本を訪問します。ハイレベル相互訪問は中日関係の安定した発展に方向をはっきりと指し示しました。経済貿易協力は中日関係の「バラスト(安定装置)」と「スクリュー(推進装置)」です。日本は中国にとって2番目に大きな貿易パートナーであり、中国は日本にとって最大の貿易パートナーです。2018年の中日物品貿易額は前年同期比8.1%増の3277億ドルになり、日本側の輸出超過は355億ドルでした。日本企業の対中直接投資は16.5%増の38億ドルです。中国における新設企業数は40%以上増加し、合計3万社以上に上ります。民間交流は中日関係の安定した発展の「礎石」です。近年、両国間の各種フォーラムやシンポジウムの数が明らかに増え、教育、芸術、スポーツ、文化などの分野での交流も盛り上がってきています。2018年には訪日中国人旅行者数が800万人以上に上り、数年連続で訪日海外旅行者の国別ランキングのトップを占めています。

写真撮影:于文

二つ目は、中日関係の持続的な安定した発展には、絶えず「グレードアップとバージョンアップ」が必要だということです。従来の協力分野を引き続き発展させる上に、新たな分野を絶えず追求し、協力の方法を革新し、中日協力の「推陳出新」(古きを捨て新しきを得る)を促さなければいけません。例えば、イノベーション分野での協力強化です。日本は中国にとって重要な技術発信地で、日本のハイテク製品は中国で大人気を博しています。現在、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、人工知能を特徴とする技術革命が起きており、中日は共に、千載一遇の歴史的チャンスとアジアのためにより大きく貢献する共通の使命に直面しています。昨年、両国は「中日イノベーション協力対話の立ち上げに関する覚書」に署名し、今年4月、イノベーション協力対話メカニズムの下での最初の対話が行われ、成功しました。将来、双方は具体的なプロジェクトを選んで実際に推進することができます。例えば、中国は世界最大の乗用車市場であり、日本は水素燃料電池と電池スタックの技術で世界をリードしており、双方は知的財産権に基づいて協力を展開することが可能です。同様の構想は幹細胞技術や高齢者介護の分野での協力に広めることができます。第三国市場、特にアジア市場での協力強化は、すでに中日首脳間の共通認識になっており、中日が「一帯一路」共同構築という枠組みの下で協力の具体的な突破口を開くものです。過去の競争相手を未来の協力パートナーに変えるには、双方がインフラ整備において、計画、設計、基準などでいち早く共通認識を達成する必要があります。条件が整った時は、協力モデルをさらに充実させることができます。例えば、中日韓+第三国や中日・ASEAN+第三国などです。

三つ目は、中日の協力は二国間の枠組みを超えて、アジアひいては地球全体を視野に入れて考えなければいけないということです。経済のグローバル化に波乱が起き、一国主義や保護主義が台頭している中で、中日には、互いに協力して困難を乗り越え、協力・ウインウインを実現し、地域と世界の繁栄と安定のために長期的な計画を立てる責任があります。地域のレベルから見ると、アジア地域の経済一体化を推し進める際に、現在差し迫っているのは、RCEPと中日韓FTA交渉の一刻も早い合意達成の推進です。RCEP交渉において、中日両国が最初に合意を達成することは、交渉を推進・牽引する重要な要素となります。中日間の市場アクセス交渉の終了が、交渉の各方面に前向きなシグナルを発信し、年内の協議妥結という目標のために積極的な貢献を果たすと信じています。中日韓FTA交渉においては、市場アクセス交渉ですでに前向きな進展を得ており、さらにより大きな勇気をもって、利益が合致するところを探し、交渉が一刻も早く実質的な進展を遂げるよう推進しなければなりません。グローバル・多国間レベルから見ると、中日はグローバル経済ガバナンスの重要な「利益関係者」であり、開放的・包容的な国際経済貿易ルールを整備し、多国間主義と貿易・投資の自由化・円滑化を保護することが、中日両国および世界の大多数の国々の共通の期待です。WTOG20APECなど重要な多国間の場では、中日が協力を強化し、足並みを揃えることは、自身の利益の擁護に役立つばかりか、それらのメカニズムが効率的に働き、活力を示し、役割を果たすように役立つでしょう。

来月、世界が注目するG20会議が大阪で開かれます。去年のアルゼンチンの首都で得た共通認識に基づけば、今回のG20会議はWTO改革のプランを討論することになります。中国は今月、WTOに「WTO改革に関する中国の提案」を正式に提出し、改革の四つの方面における重要な分野と具体的な提案を提示しました。WTO改革はその権威性と多国間貿易のルールの有効性に関係しており、グローバル化した経済の中で形成されたサプライチェーンやバリューチェーンが市場の法則に従って効果的に割り当てられるかに関係し、われわれアジア各国の未来と前途にも関係しています。中国は今までどおりWTO改革について各方面といっそう意見を交換し、足並みを揃えて、共通認識を得ることを望んでいます。

 

ご出席の皆様。

アジアの未来はわれわれ共通の未来です。発展の道においては、誰も欠席してはならず、誰も列から遅れてはなりません。われわれの運命は緊密に結び付いていて、中国はアジアのより美しい未来のために、より大きく貢献したいと思っています。

どうもありがとうございました。

 

人民中国インターネット版 2019年5月31日

 

 

 

 

 

 

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