李強総理、岸田文雄首相と会見
【新華社ソウル5月27日】中国の李強(り・きょう)国務院総理は26日、第9回中日韓首脳会議出席のため訪問した韓国・ソウルで、日本の岸田文雄首相と会見した。
李総理は次のように表明した。習近平(しゅう・きんぺい)国家主席は昨年11月、岸田首相と米サンフランシスコで会談し、重要な共通認識に合意した。両国の戦略的互恵関係を包括的に推進することを再確認し、2国間関係の発展に重要な政治的リーダーシップをもたらした。日本が中国と共に一層歩み寄り、両国の指導者が合意した重要な共通認識を着実に履行し、相互信頼を絶えず固め、協力を深めていくことを望む。意見の相違を適切に管理し、新時代の要求に合致した建設的かつ安定的な中日関係の構築に努めることを希望する。歴史問題と台湾問題は中日関係の政治的基礎に関わる重大な原則的問題で、基本的な信義の問題でもある。台湾問題は中国の核心的利益の核心であり、レッドラインでもある。日本が信義を重んじて約束を守り、両国関係の絶え間ない発展に前向きな雰囲気を作りだすよう望む。
李総理は次のように指摘した。中日の発展は互いにとって重要なチャンスになる。中日経済は持ちつ持たれつの局面を既に形成しており、両国人民に確かな福祉をもたらしている。中日両国が経済の相互補完で持つ優位性は今後も続く。科学技術革新やデジタル経済、グリーン(環境配慮型)発展、 第三国市場の開拓などは今も大きな協力の潜在力を持つ。双方は互いに目的を達成し、産業チェーン・サプライチェーンの安定・円滑化とグローバルな自由貿易体制を共同で守っていくべきである。中国は日本と多分野、多ルート、多レベルの友好交流を持続させ、人的往来を一層円滑化し、青少年交流を積極的に進め、中日友好協力の民意の基盤を絶えず固めていきたい。
李総理は次のように表明した。日本の福島放射能汚染水の海洋排出問題は全人類の健康と世界の海洋環境、国際公共利益に関わる。中国は主要な利害関係国であり、中国政府と人民は深く懸念している。日本が長期的な国際モニタリングに関する取り決めなどの問題でさらなる誠意と建設的な態度を示し、国内外の正当で合理的な懸念に真剣に向き合い、自らの責任と義務を確実に果たすことを望む。
岸田首相は次のように表明した。日中関係が前向きな発展を保つことは両国だけでなく、世界にとっても有益である。日本は中国と共に、両国指導者の重要な共通認識を履行し、ハイレベルの往来を保ち、グリーン経済や医療、第三国市場などの分野で協力を強化していきたい。人的交流に便宜を図り、地域協力を深化させ、気候変動など地球規模の課題に共同で対応するとともに、建設的かつ安定的な両国関係を積極的に築き、両国の戦略的互恵関係を包括的に推進し、両国関係の長期的安定を図りたい。日本は台湾問題について、1972年の日中共同声明で表明した立場を堅持している。この点にいささかの変更もない。
双方は、各レベルの対話と意思疎通を強化し、新たな中日経済ハイレベル対話とハイレベル人的・文化交流協議メカニズム会議を適時開催することで合意した。これまでの進展を踏まえた上で福島原発放射能汚染水の海洋放出問題に関する協議と対話を続け、国際・地域問題で意思疎通と協調を保つことでも合意した。
双方は共に関心を寄せる国際・地域問題についても意見交換した。
新華社より 2024年5月27日