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記者会見で、中日関係を巡って、李克強総理は朝日新聞の記者の質問に答えた。 |
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朝日新聞記者:今年は戦後70週年であり、総理の歴史観を伺いたい。また、訪日の中国人観光客が増え、日本で多くの品物を買うが、訪中の日本人は減少し、対中投資も減った。これをどう分析するか。戦後70周年記念行事、特に閲兵式が日本国民の対中感情にどんな影響を与えるのでしょうか。 |
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李克強総理:今年は中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争勝利70周年だ。中国だけでなく、世界の多くの国がさまざまな形で記念行事を行なう。悲痛な歴史を心に刻み、歴史を繰り返させない、人類の恒久平和のために第二次世界大戦勝利の成果と戦後の国際秩序及び一連の国際法を守ることを目的とする。 現在、中日関係は確かに比較的困難で、その根はやはり先の戦争、歴史に対する認識と正確な認識を一貫して持ち続けることができるかにある。正確な歴史観を堅持するとは、歴史を鑑とし、未来に向かうことだ。 一国の指導者は、先人の築き上げた業績を継承するだけでなく、先人の犯罪行為がもたらした歴史の責任も負わねばならない。当時、日本の軍国主義が中国人民に無理に押しつけた侵略戦争は、われわれに多大な災難をもたらし、最終的には日本の民衆も被害者だった。 今年このような重要な時期にあって、私は中日関係にとって検証であり、またチャンスでもあると考えている。もし日本の指導者が歴史を直視し、また一貫性を保持すれば、中日関係の改善と発展に新たな契機があり、また自然に中日の経済・貿易関係の発展に良好な条件を創造することになるだろう。 |
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中米関係について、李総理は「中米関係は、世界で最大の発展途上国と最大の先進国間の関係である。私たちは相互尊重、互恵協力、互いに衝突や対抗をしない新しいタイプの大国関係を構築していきたい。今年、習近平国家主席の訪米は、中米関係の発展を更に推進させると信じている」と述べた。 |
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経済の新常態について、李総理は「中国経済は新常態に入り、今年の経済成長の目標も7%前後に調整した。成長目標を引き下げたが、実現は容易ではない。中国経済の総量は、すでに10兆ドルを超えている。もし、7%の成長率を続ければ、毎年、中規模国家1カ国分の経済効果を生み出すことになる 中国経済が合理的な範囲内での成長が維持できる。もし、成長の減速によって雇用や収入などに影響を与え、合理的な範囲の最低ラインに近づけば、私たちは長期予測を踏まえた上で安定政策と市場の安定を図り、方向性ある市場の調整管理を強めることで、市場の自信を取り戻す方針だ」と述べた。
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腐敗取締について、李総理は「権力を白日の下にさらした上で、社会からの監督を受けなければならない。公職者は自律の意識を高め、権力を私利にではなく公のために使うべきだ」と権力の乱用を取り締まると同時に、職責を果たさない消極的な政治姿勢にも反対することを強調した。 |
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行政手続の簡素化と権限の譲渡について、李総理は「政府と市場の関係を有効的に整理し、市場の活力を生かせる。経済の下振れ圧力に耐えることにつながる。昨年、中国経済は緩やかに減速したが、雇用が減らず、逆に増加したのは、行政手続の簡素化と権限の譲渡が重要な役割を果たしたからだ」と述べた。 |
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環境汚染の対策について、李総理は「今年の要は新しい環境保護法を厳格に執行することだ。関連法規に違反する企業に対しては、どんな企業であろうと、法に基づいてその責任を追及していく。無断で排出するような企業には計り知れないほど大きな代償を払ってもらう」と述べた。 |
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15日午前7時頃、記者たちは金色ホールの外で列を並んでいる様子。 |
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全人代の閉幕会議で政府活動報告、2014年国民経済・社会発展計画の执行状況と2015年国民経済・社会発展計画、2014年中央と地方予算の执行状況及び2015年中央と地方予算、全国人民代表大会常務委員会の活動報告、最高人民法院の活動報告、最高人民検察院の活動報告の6つの決議草案と立法法を改正する決定草案が表決される。 |
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第12期全国人民代表大会第3回会議は15日午前、北京の人民大会堂で閉幕の会議を開く予定。会議が閉幕した後、中国国務院の李克強総理は人民大会堂で取材する中外の記者たちと会見し、記者の質問に答える。 |
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全国政治協商会議第12期第3回会議は13日午後、全ての議事日程を終え閉幕した。習近平国家主席、李克強総理、全人代常務委員会の張徳江委員長、政協の兪正声議長、中国共産党中央政治局の劉雲山常務委員、王岐山常務委員、張高麗常務委員が2114人の委員と共に会議に出席し、兪議長が閉幕式を主宰した。 |
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第12期全人代表大会第3回会議は14日午前、代表グループ会議を開き、政府活動報告、年度計画、年度予算に関する決議案を審議する。午後、代表団全体会議を開き、各決議案と立法法の改正に関する決定草案の表決稿、全人代常務委員会の陳吉寧、陳豪両委員の辞任の申し出を審議する。 |
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両会に注目を集めたアプリ: 出席者専用の携帯電話交流アプリ。このアプリは赤色を背景とし、「ニュース、議論、通知、動画、提案」の5大機能を持つ。出席者が会場に入るとショートメッセージで連絡が届き、身分証ナンバーと携帯電話番号の二重認証によりインストールできる。 |
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両会に登場した科学技術: 会場外では、警備員らが電動立ち乗り二輪車に乗って天安門広場をパトロールし、注目を集めた。この二輪車の最高時速は20キロに達し、搭載されているカメラによって、画面を指揮センターにリアルタイムで伝送できる。 |
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全人代代表、中国大手クーラーメーカーの格力電器の董明珠会長は、「メイド・イン・チャイナ2025」について、「中国企業の海外進出は、製品の海外進出のみならず、世界がドイツの製品をきっかけに、ドイツを理解するように、多くの人に中国製品を通じて、中国を理解させることが重要だ」と述べた。 |
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3月12日習近平国家主席は解放軍代表団の全体会議に出席した。習主席は、「過去1年において、軍隊改革活動を計画し推進してきた。一連の重大任務を成功裏に終え、強軍の目標の貫徹で新たな重大な進展を実現した」と指摘した。 |
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習主席は特に軍隊と国民の融合発展を強調し、「全要素、多分野、高効率の軍民融合発展枠組みを構築して融合の形式を豊かにし、融合の範囲を拡大し、融合のレベルを高めていく」と述べた上で、「軍隊は積極的に地方の経済社会建設に参加し、実際の行動で国民に利益をもたらしてほしい」と期待を寄せた。 |
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3月12日全人代は2014年の中央と地方の予算執行状況を審査した。全人代財政経済委員会は「2014年、中央と地方の予算執行状況は全体的に良好である」と述べたうえで、予算編成の科学性と予算執行の規範性を引き上げていく必要があると指摘した。 |
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3月12日全人代は2015年の中央と地方の予算案の審査報告を採択した。全人代財政経済委員会は「2015年の中央と地方の予算案は、党中央が打ち出した穏健な発展というスタンスを表している」と述べた。今年度予算案によると、全国の一般公共予算の総収入は15兆4300億元(約299億円)で、支出は17億1500億元だ。 |
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2014年の予算執行状況では、全国の一般公共予算の総収入は14兆350億元(約272億円)で、予算目標の100.6%を実現し、支出は15億1662億元(293億円)で、予算目標の99.1%を実現し、収支と予算は均衡が保たれた。 |
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全人代は3月12日「金融改革と発展」をテーマとする記者会見を開いた。中国人民銀行の周小川総裁、中国人民銀行副総裁・国家外貨管理局局長の易鋼氏、中国人民銀行の潘功勝副総裁、シルクロード基金有限責任会社の金琦会長が国内外の記者の質問に答えた。 |
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会見で、インターネット・ファイナンス監督管理政策について、周小川総裁は「金融界は2014年、インターネット・ファイナンス監督管理の新政策の討論と準備を行ってきた。関係文書は現在、起草段階にあり、業界とも意見交換を行っており、近く発表される」と述べた。 |
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預金保険制度がいつ導入されるかについて、周総裁は昨年末に預金保険条例についての意見を募った結果、ほぼ肯定的な意見が得られた。これは預金保険制度の導入のための条件が基本的に整ったことを意味する。今年上半期に導入されると予測した。 |
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中央規律検査委員会の王岐山書記は12日午後チベット自治区代表団の会議に参加した。王書記は「党幹部が党の優れた伝統を忘れず、誠心誠意、人民に奉仕していく方向性を守り、永遠に人民大衆を念頭におくことが必要だ」と強調した。 |
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中国共産党中央書記処の劉雲山書記は12日午後陝西省代表団の審議会議に参加した。劉書記は精神文明の建設推進を強調した上で、「法治文化の建設推進に取り組み、法治を社会の信仰にしていく必要がある」と述べた。 |
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張高麗副総理は12日午後雲南省代表団の会議に参加した。張副総理は雲南省が改革開放で収めた成果を評価した上で、雲南省の実情に基づいて、「一帯一路」と長江経済エリアの建設や、民族団結モデル地域の建設、エコ文明建設などにおける飛躍的な発展を実現するよう期待を寄せた。 |
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3月10日、全人代は人的資源社会保障部の記者会見を開いた。定年年齢などの問題について、尹蔚民部長は質問に答えた。現行の女性労働者50歳、女性幹部55歳、男性労働者60歳の定年年齢は中華人民共和国の建国時に決定されたものだった。現在の70.6歳の平均寿命と適合せず、調整が必要となっている。 |
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具体的な定年政策について、尹蔚民部長によると、漸進式定年政策をとる。つまり、毎年数カ月だけ定年年齢を伸ばしていく。発表されてから少なくとも5年以降からの実施となる。例えば今この案が発表されたのであれば、5年後に初めて実施されるという。ゆっくりとした着実な実施が可能となる。 |
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第12期全国人民代表大会第3回会議は12日午前、北京の人民大会堂で第3回全体会議を開き、最高人民法院(最高裁判所)の周強院長による最高人民法院の活動報告および最高人民検察院の曹建明検察長による最高人民検察院の活動報告を聴取した。 |
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活動報告の中で、曹検察長は、「取り締まりに着手する時期を早め、職務犯罪の予防を強化し、制度の不備を探し、源から改善を進める」と述べた。周院長は、「最高人民法院は関係部署との連携と協力を強化し、汚職を厳罰に処し予防するシステムの建設を共同推進する」と表明した。汚職撲滅に剣を掲げた。 |
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近年、立法の分野において、中国は大きな進展を遂げた。2004年、4回目の憲法改正が行われた。改正では「国家は人権を尊重・保障する」との文言が盛り込まれた。国家の人権保護意識が高まったことを示した。2007年、あらゆる物の帰属を規定した物権法が採択された。 |
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2010年、選挙法改正案草案が採択された。改正によって、都市・農村が同一の人口比率で人民代表を選ぶことを初めて定め、国民の選挙権上での平等が実現された。2012年、刑事訴訟法の改正案が採択された。新法に、容疑者や被告人の権利の保障、公権力行使の制約、法律支援の強化などの内容が盛り込まれた。 |
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法による国家統治を巡って、代表・委員たちが盛んに話し合った。政治協商委員雲南省帰国華僑連合会主席の李嶸氏は「政府は法治建設における最大の推進者です。各級の政府は身をもって範を示し、自身の法律の尊重と制度の厳守を通じて、社会全体が法律を信頼する習慣を培っていくべき」と述べた。 |
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全人代代表、江西省人民検察院検察長の劉鉄流氏は「法治建設は政府機能の転換、政府機構の簡素化と権限委譲をしっかりと中心に据え、権力のリスト、責任のリストの制度建設推進を加速し、政府の権力と責任の境界をさらに明らかにし、でたらめな行為や不作為に対しては厳しく責任追及すべき」と述べた。 |
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『2015年政府活動報告』で打ち出された「インターネット+」は、国内外の注目を集めた。この新しい概念に対して、大手IT企業の責任者らもそれぞれ提案を示し、期待を寄せた。 |
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全人代の代表・テンセント社の馬化騰会長は「『インターネット+』の社会では政府と市場はそれぞれの機能を果たす。政府はイノベーションを後押しし、サービスの向上を図り、安全を前提に新たな物事に発展のチャンスとスペースを与えることができる」と述べた。 |
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全人代の代表・スマートフォン大手の小米科技(シャオミ)の雷軍会長は「インターネットと他の産業の結びつきは中国経済の未来にとって大きな価値がある」と自信を示した。 |
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政治協商委員・中国最大の検索エンジンサイト・百度(バイドゥ)の李彦宏会長は「中国ブレーン」計画を提案し、「国家主導による開発は人工知能の大躍進を推進し、新しい技術革命の主導権を握るべきだ」と強調した。 |
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今年外交の主軸「一帯一路」について、程永華駐日大使は「歴史上、中国は朝鮮半島や日本との文化交流が盛んに行われている。シルクロードは東の方では奈良まで続くとも考えられている。この考え方を現在の文化交流や経済活動に生かすことができる」と東の国々との交流と協力強化を提案した。 |
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15年来初の立法法修正は民衆の生活と密接な関わりを持つ。修正案は地方政府が、法律や行政法規、地方法規のよりどころなしに公民や法人、その他組織の権利を損なう、あるいは義務を増やす基準を設けられないと規定した。政府は車両通行制限、住宅購入制限などの制度を思うままに出せなくなった。 |
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立法法修正草案のもう一つのハイライトは、「税収法定」つまり、立法者が全ての税収問題を決定するという原則を明確に規定していることだ。今回の改正は公民の権利と利益の保障を重要視し、地方政府権力の境界をはっきりさせ、法律に対する尊重を表している。 |
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全人代常務委員会の張徳江委員長による常務委員会の活動報告で、2014年の立法について「常務委員会は立法の品質向上を最も重視している。2014年、合わせて20の法案を審議、10の法律を改正、2つの法律を制定、8つの法の解釈を行った」と振り返った。 |
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環境保護法の改正について、張委員長は「政府の監督・管理の責任、生態保護のレッドライン、汚染物質総量の抑制、共同汚染予防と管理制度が明確にされ、企業の汚染予防と管理の責任を強化し、情報公開・民衆参加・公益訴訟の制度を制定し、環境法に違反した行為に対する処罰の力を強める方針だ」と説明 |
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行政訴訟法の改正について、張委員長は「国民・法人、他の組織の合法的な権益保護を重視し、法に基づく権力の行使と公正な司法を促し、行政訴訟の立案・審議・執行が難しいという問題を解決し、案件受理範囲の拡大、案件管轄の調整、訴訟プロセスの規範化などの面において、制度の完備を目指す」と説明 |
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予算法の改正について、張委員長は「税制改革の深化、全面的規範化に向けた実施、予算制度の透明性などに対し、重要な意義を持つ。政府の予算管理の実行、財政の移転支出制度の完備、地方政府の債務管理制度の健全化、予算の公開と実績管理の推進、予算決算審査監督などに重点を置いた」と説明。 |
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2015年の主要課題について、張委員長は「今年は重点分野の立法を強化する。民主政治立法の整備、選挙法、地方組織法、代表法、行政復議法の改正などだ。反腐敗国家立法を推進し、行政監察法の改正を検討する。コミュニティー矯正法、食品安全法など社会分野の立法を推進する」と述べた。 |
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社会分野の立法において、特に中国初の反ドメスティック・バイオレンス(DV)法の成立が注目を集めた。女性の権益問題を長年注目してきた全人大代表栄華氏は「DVが深刻化して初めて救済を求めるのではなく、問題の芽を早めに摘み取ることが大切だ。反DV法の成立は、全国民に対する警告」と述べた。 |
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代表と委員は2015年政府活動報告に初めて出た新語「権力を有する者は思うがままに振る舞ってはならない」、「創客」、「書香社会」、「責任リスト」、「社会信用コード」、「深港通」、「スマートシティ」、「メイド・イン・チャイナ2025」、「インターネット+」、「農獣薬残留」を解説。 |
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「権力を有する者は思うがままに振る舞ってはならない」:権限を適所に委譲し、しっかりと管理し、しっかりと機能させることを確保する必要がある。また、仲介サービスを規範化し、政府と癒着している仲介が現れて権力委譲の「隠れ蓑」となるのを防ぐ必要がある。(趙静・全人大代表) |