人口は約17万2900人。
シボ族は主に遼寧、吉林、黒竜江などの地域に分布しているが、新疆ウイグル自治区の察布査爾シボ自治県とその周辺地区に居住している人も一部いる。
新疆ウイグル自治区に居住するシボ族の人たちが使用しているシボ語はアルタイ語系の満州語―ツングース語族の満州語分支に属する。東北地区に居住しているシボ族の人たちは漢語を使用している。
シボ文字は1947年に、満州文字をもとにして、いくらか修正を加えてつくられたものである。大多数のシボ族の人たちは漢字を使用している。
シボ族の人たちはかつてはシャーマニズム、ラマ教を信仰していたが、現在は宗教を信仰する人はほとんどいない。
シボ族の人たちは「錫伯」と自称しているが、漢字で書かれた文章はさまざまな音訳と書き方がある。例えば、「犀毘」、「師比」、「鮮卑」、「矢比」、「席百」、「席吐」、「錫伯」などがそれである。シボ族の人たちは中国古代の北方の鮮卑人の子孫をもって自認し、当初は大興安嶺の東麓一帯で遊牧生活を送り、西暦4世紀前後に南の黄河流域まで移住して政権を作り上げたが、後に漢民族に同化された。嫩江、松花江、綽爾河流域に残った鮮卑の人たちは東北地方で生存し続けて、今日のシボ族となった。1764年に1016人のシボ族の人たちが招集されて、新疆のイリ(伊犁)地区で屯田することになった。今日の新疆のシボ族の人たちは、その人たちと2000人余りの従軍家族の子孫である。シボ族の人たちは昔から狩猟と魚労によって生計を立ててきた。新疆に移住したシボ族の人たちは水稲の栽培を主とし、牧畜業をも兼ねている。これらのシボ族の人たちは祖国を守り、イリ河の渓谷一帯を開発するために貢献した。
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