チワン(壮)族
 

 人口は約1555万5800人。

 チワン族は少数民族の中で人口の最も多い民族である。主に広西チワン族自治区、雲南省の文山チワン族ミャオ族自治州に集まり住み、わずか一部が広東省、湖南省、貴州省、四川省などに散在している。

 チワン語は漢・チベット語系のチワン・トン語族チワン・タイ語分支に属し、南北二大方言に分かれる。

 南宋の時代に漢字をもとに独自の文字がつくられたが、標準にはならなかった。1955年にはローマ字をもとにしたチワン語の文字が作られた。チワン族の人たちのほとんどは漢語(中国語)を使用している。

 昔、チワン族の人たちは自然崇拝と多神崇拝などの原始宗教を信じていた。唐・宋以降、仏教、道教が前後にしてチワン族地区に入ってきた。近代になって、キリスト教とカトリックもチワン族地区に入ってきたが、大きな影響を及ぼすには至らなかった。

 チワン族は中国の少数民族の中で人口の最も多い民族であり、中国嶺南地区(広東・広西の地を指す)の原住民族として長い歴史を持っている。数万年前の頃から、チワン族の祖先たちはすでに中国の南方で生活していた。春秋戦国の頃は百越の一部であった。宋朝以降においては、「僮」、「土」などの呼称で史書に記載されている。各地のチワン族の人たちは20余りの自称をもち、新中国の成立後に「僮」に統一した。1964年に、周恩来総理の提案により、国務院の認可を得て、「僮」を「チワン」に変え、チワン族の精神的様相をいっそう表わすものとなった。1958年3月15日、広西チワン自治区が発足し、チワン族の人民は主人公になる権利を獲得した。チワン族の人たちは主に農業に携わり、米やトウモロコシの栽培を主とする。チワン族の人たちは歌が好きで、チワン族の人たちの住んでいる村は「歌の海」とたたえられている。きれいなチワン錦織はチワン族の伝統的な工芸品であり、内外で知られている。


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