ナーシー(納西)族
 

 人口は約27万8010人。

 主に雲南省麗江ナーシー族自治県とその周辺区域に集中的に居住しており、四川省の塩源、塩辺、木里などの県とチベットの茫康県にも分布している。
 
 ナーシー語を使用し、この言語は漢・チベット語系、チベット・ミャンマー語派、イ語分支に属する。漢族と仲良く付き合ってきたため、大多数が漢語を話せる。

 ナーシー族にはもともと2種類の文字があった。ひとつは表意の象形文字で、東巴文と称され、もうひとつは表音の音節文字で、哥巴文と呼ばれている。1957年に、ローマ字を基礎とするナーシー表音文字が作り出された。

 ナーシー族は普遍的に、多くの神を祭るトンバ教を信奉してきた。少数はラマ教、道教あるいはキリスト教を信奉している。

 ナーシー族は中国のながい歴史をもつ民族の一つで、南へ移住した古代羌族の一派である。ナーシーという民族名は古代髦人のある部落の名から来たものである。漢の時代の文献に記載されている「もう牛夷」、「摩沙夷」が、ナーシー族の祖先である。地域によって、ナーシー族の自称は異なっている。例えば「ナーシー」、「ナ(納)」、「ナジョ(納汝)」、「ナニ(納日)」などがある。新中国成立後、民族の願いによってナーシーに確定した。ナーシー族は自民族の発展において、さんざんと輝く民族の文化を作り出した。西暦7世紀に現れたトンバ文は、現在、世界でわずかに残っている、まだ使われている象形文字である。トンバ文で書かれた「トンバ経書」は、ナーシー族の社会発展の歴史を研究するための貴重な資料である。ナーシー族は農業を主とし、水稲、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦、豆類、綿花、麻を栽培している。金沙江両岸は森林地帯である。玉竜山間地帯は植物種類が多く、植物の宝庫とたたえられている。


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