オロチョン(鄂倫春)族
 

 人口は約6900人。 

 内蒙古自治区と黒竜江省の接するところにある大小興安嶺、特に内蒙古自治区フルンベル盟オロチョン族自治旗に住んでいる。  

 オロチョン族の言葉を使用し、この言葉はアルタイ語系、満州・ツングース語派、ツングース語に属する。  

 この民族は文字を持っておらず、公用語は中国語。 

 オロチョン族の人びとはシャーマニズムを信奉し、自然界の事物を崇拝し、万物には魂があると信じている。祖先崇拝が盛んに行われている。

 「オロチョン」はこの民族の人たちが自分たちでそう称しているものであり、「連峰の上に住む人たち」あるいは「トナカイを飼育している人たち」という意味である。 この呼称は清朝初期の史料の中に記録が残っている。オロチョン族の人びとは長期にわたって狩猟の生活を主とし、採集と魚をとることを補助的なものとしてきた。ほとんどすべての男子が優れた騎手と百発百中の射手であり、いろいろな野獣の習性と生態の法則をよく知り、豊富な狩猟の経験をもち、20世紀40年代頃まではまだ原始共同体の残存を保つ狩猟民族であった。獲物は部族の内部で平均的に割り当て、一部の原始社会の共同消費と平均割当の習慣を保存し、老人・虚弱者・負傷者・身障者は1人前の分配にあずかるだけではなく、更に少し多くもらえることになっていた。新中国成立後、オロチョン族の人たちは一挙に社会主義に入ることになった。現在は、定住の生活を実現し、狩猟に別れを告げ、森林と野生動物の保護者となっている。オロチョン族の人びとは頭の回転が速く、手も器用で、シラカバの木の皮を利用して美しい手芸品――衣服、靴、かご、桶、箱を作り、カバノキの皮を張った小さくて精巧な船でもある。これらのものには美しい図案が施され、小さくて精巧で丈夫で、そしてまた精致で上品である。


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