人口は約35万2000人。

　主に雲南省の西盟、蒼源、孟連の３県と周辺の山間部に集中して住んでいる。　

　ワー語は南アジア語系、ワードアン語分支に属する。「バジョーク」、「ワー」、「アワー」の３種の方言がある。もともと文字がなかったが、1957年にラテン語文字を原形としてワー族の文字をつくった。

　ワー族の人たちは万物に魂があるとする自然宗教を信仰している。

　ワー族は中国雲南省南西部の長い歴史をもつ民族の一つであり、2000年前にプーラン族、ドーアン族などの民族とともに高黎貢山と瀾滄江地区の開発に寄与した。「ワー」、「バジョーク」、「アワー」などと自称し、「山の中に居住しているもの」の意味である。紀元前１１世紀頃から前206年までの周、秦の頃、その祖先は「バイプー」の分支であった。唐代においては「濮子蛮」、宋代においては「濮蛮」、明代においては「古刺」、清代においては「ガ刺」、「哈瓦」と呼ばれた。地元のタイ族はワー族を「カワー」と呼び、「カ」はタイ語の中では「奴隷」の意味で、侮辱的な呼称であった。新中国成立後、各民族の平等・団結を具現するため、「ワー族」と定められた。ワー族の人たちは高い山の中に住み、とりわけ起伏の多いアワー山間地帯に住んでおり、交通が不便で、外部との交流が少なく、経済の発展は立ち遅れている。しかし、現在、ワー族の人は主人公となり、故郷に大きな変化が起こり、現代化の発展の道を歩み出している。